2025.02.19
業界各社のはんだ付け条件について
Pbフリーはんだの導入に伴い、Sn-Pb共晶はんだに比べて、濡れ性が劣りブリッジが発生しやすくTH上がりが悪いなどの合金の特徴があり、フローはんだ付けにおいてはP/H温度や時間の設定、Dip時間や噴流波形状の設定などがポイントとなります。各社ともに使用はんだ合金や使用部品のはんだ耐熱性を考慮してそれぞれ条件を設定しているようです。また、リフローはんだ付け条件においてはSn-Pb共晶はんだ条件よりP/H温度を高めに時間を長めに、本加熱では、はんだ融点以上を30Sec以上・・・・・等、各社それぞれ条件を設定してはいますが、基本的なところに大きな差異は無いようです。
①一般的なフロー条件
フロー装置には大気フローはんだ付け装置、N2雰囲気はんだ付け装置があり、基板実装形態に応じてプリヒーターの温度設定や搬送速度は異なるものの設定の基本は同じです。以下に一般的な条件を示します。
P/H ピーク温度 |
100~150℃(レジスト上温度)部品損傷ない範囲で可能な限り高めに |
時間 |
60~120sec ※時間設定する企業は、殆ど無し |
Dip 時間 |
4~6sec(max10sec) ※10sec超える事例もあり |
はんだ温度 |
250~260℃ |
②各社のフロー条件例
※各社とも、回路構成や使用部品から条件を定めているようで大同小異といったところです。
詳細は弊社のセミナー等にて説明します。
※弱耐熱部品への対応:これまでのコラム⑩電子部品とはんだ耐熱性㉟電子
部品のはんだ耐熱性評価にて説明してきた通り、上記の一般フロー条件においては部品メーカーの推奨条件にマッチしないケースが多く、実装上の熱対策や部品メーカーとのネゴが必要となります。ポイントは、部品メーカーと協議して、はんだ付け条件の開示、実際の条件にてはんだ耐熱性の確認・・・・等を行い、量産条件として取り決めると良いでしょう。
③リフロー条件
各社のリフロー条件では、使用部品の耐熱特性、基板内の昇温差異(⊿t)を考慮して使用ペーストはんだの推奨条件を参考に決めているようです。
因みに、S社ペーストはんだの推奨プロファイルは以下の通りで、各社ペーストもほぼ同様です。ポイントは、はんだ粒が十分溶融し部品電極に濡れ上がり均一なフィレット&合金層が形成されることです。
P/H温度、時間 |
150~180℃(80~100sec) |
リフローピーク温度 |
240℃(230~260℃) |
220℃以上の時間(SAC305) |
40sec(30~60sec) |
④各社リフロー条件例
リフロー基板の形態、実装部品の熱容量、使用リフロー炉の加熱能力などにより機種毎に設定しているようです。また、多品種少量生産の場合には機種切り替えに時間がかかることからP/H、リフロー温度設定を同じにしてコンベア速度の変更で対応する場合があります。
詳細は弊社のセミナー等にて説明します。
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