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コラム記事(No.42)「LSIはんだ付け実装上の留意点」について

2024.08.26

LSIはんだ付け実装上の留意点について

今回は、各種LSIのはんだ付け実装上の留意点について筆者の経験と過去の歴史を振り返りながら説明します。

 

1980年代初めに接着剤仮止め方式によるチップ混載実装技術がフローはんだ付け工法により実用化されて以来、リフローはんだ付けも民生機器の小型製品(小型音響機器)を中心に進展してきました。リフローはんだ付けの進展とともに各種LSISOPパッケージ、QFPパッケージが増加しました。そして1980年代後半にはリフローはんだ付けにおいて、QFPパッケージのクラックが各社で発生し問題となりました。また、PLCCパッケージではリフロー時に本体底面部が膨れて、Jベンド端子が浮き上がるという現象もみられました。これらは、封止樹脂が「吸湿」によりリフロー時、水分が気化してクラックとなったり封止樹脂が膨潤したもので各社において頻発して当時は大問題となりました。

 

対策として、封止樹脂が改良されるとともにアルミ防湿パッケージが開発されて半導体各社はこぞって防湿パッケージの採用に動きました。そして、各社の技術カタログには「LSIの仕様上の留意点、注意点」として記載されるようになり現在に至っています。

また、チップ混載実装においては、SOPQFPの防湿及び耐熱性が向上して直接フローはんだ付けできるようになり民生機器(音響機器、白物家電製品)を中心にチップ混載+SOPQFP-Dip実装が多く採用されています。

更には2000年代初期からのPbフリーはんだの導入に伴い、各社のLSIパッケージのはんだ耐熱性の改善が進み、現在では、吸湿防止が出来ればLSIパッケージのフロー&リフローはんだ付けにおいては、はんだ耐熱上の問題は無くなりつつあるようです。

以下、LSIパッケージの使用上の留意点例をまとめて列記します。

  • アルミパッケージから開封したLSI48時間以内に使い切ること。
  • 残ったLSIはアルミパックに収納し、ドライキャビ(50RH以下)にて保管すること。
  • 万一、常温常湿環境などに48時間以上、放置した場合にはベーキンング処理してから使用すること。※トレイ:ベーキング処理可能なJEDECトレイなど。ベーキング条件例:80120℃、数時間~24    時間。
  • なお、リフロー済み実装基板を挿入部品のフローはんだ付けまでに保存する場合には防湿対策が必要となり、マガジンラックのまま常時空調のきいた保管室に保管することでブローホールやはんだスプラッシュは防止できます。(参考:㉗プリント基板の吸湿による諸現象)

最後に、プリント基板(ガラスエポキシ樹脂基板)、LSIパッケージ(エポキシ樹脂)・・・・いずれもプラスチックですから吸湿しますので保管時にはドライキャビなどの保管をお勧めします。

日本の6月~8月は高温高湿度環境になるので部品やプリント基板の吸湿現象には留意したいものです。

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