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コラム記事(No.27) 「プリント基板の吸湿による諸現象」について

2023.06.06

「プリント基板の吸湿による諸現象」について

各種電子機器、車載、産業機器などに使用する制御基板にはそれぞれ用途やコストに応じて片面基板、両面基板、多層基板が使用されています。プリント基板の材料は紙フェノール材、紙エポキシ材、ガラスエポキシ材などです。

 

ここでは、これから梅雨の季節に入りますのでプリント基板の吸湿による諸現象について説明します。プリント基板のベース材料は樹脂ですから製造工程や保存環境によっては吸湿をします。そして、両面&多層基板のリフロー&フローはんだ付け工程において、吸湿が原因となりはんだ飛散、ブローホール、層間剝離等様々な現象が発現します(模式図参照)

 

1.フローはんだ付け工程における現象

  ①部品面に発生するはんだボール飛散現象(スプラッシュ)

   熱容量が小さく十分にスルホール上がる場合、気化ガスがスルホール上部フィレットから突沸する

   ので数十~200μm程度の飛散ポール(スプラッシュ)となります。これらのスプラッシュは比較的

   熱容量の小さい多ピンCONに発生する場合が多く、生基板のフローはんだ付けやリフロー+フロー

   はんだ付け基板でも吸湿状態により発生します。

  ②Dip面のフィレットに発生するブローホール、低フィレット

   比較的熱容量が大きくスルホール上がりが良好であってもスルホール上部のはんだ粘性が高いので

   気化ガスが上部へ突沸できずにDip面フィレット側へ突沸するのでピンホール、ブローホール、フ

   ィレット無しの現象が発生します。

   これらDip面のフィレットに発生するピンホール、ブローホール、低フィレットはリフロー+フロ

   ー工程にて実装する基板の場合に、特に、リフロー後の保管状態により吸湿してしまい発生する場 

   合が多いです。特に多品種少量生産機種で異形部品の手挿入工程までに平棚に保管しておくと吸湿

   してしまいますので要注意です。日本の梅雨時や東南アジアの高湿度地域では発生しやすいのでリ

   フロー後は常時空調の効いている保管室でマガジンラックごとの保管がお勧めです。

   また、基板メーカーや製造プロセスの違いによってもスプラッシュやブローホールの発生に差異が

   みられるようです。ドリルの穴あけ工程、丸穴と長孔、めっき工程などの差異によりスルホール内

   壁状態(ピンホールの有無など)が影響していると考えられます。

 

2.リフローはんだ付け工程における現象

   層間剝離

   リフロー工程において、多層基板の保管状態に不備があり吸湿した場合には層間剝離が発生しま

   す。吸湿していた水分(気化ガス)はスルホールや孔から抜けますが、抜けきらずに層間に留まり

   層間剝離現象を起こします。特に、小ロット生産機種で基板を多量発注の場合には基板の保管に要

   注意で、IC同様のアルミパッケージ保存が必要です。また、層間剝離現象はプリント基板の積層プ

   レス工程における異物の混入によって発生する場合もあります。

 

3.吸湿した場合の対策

  生基板やリフロー後の基板について保管状態が悪く吸湿してスプラッシュ、ブローホールなどの現象

  が発現した場合にはベーキング処理が有効です。条件は吸湿状態にもよりますが、80℃~120℃、数

  時間~48時間程度の処理にて脱湿が可能です。ベーキング装置は単なる加熱槽ではなく内部が強制対

  流方式の装置が必要になります。

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