2023.03.11
「リフローはんだ付け装置の変遷(Ⅰ)」について
はんだ付け工法には大別して、マニュアルソルダリング、フローソルダリング、リフローソルダリングがあり、製品仕様(回路構成、実装構造、コスト)に応じて各工法が使用されます。現在のリフローソルダリングには特殊装置を除いて熱風加熱の強制対流リフロー装置が使用されています。ここでは筆者の経験を踏まえてリフロー装置の変遷についてその概要を説明します。
リフローはんだ付けとは、プリント基板に予め所定のはんだを供給しておいて部品を搭載してから加熱してそのはんだを溶融してはんだ接合することに由来しています。「reflow:再び流動する」
第一世代リフロー炉(~1980年代)
1970年代後半に導入された「チップ部品の接着剤仮固定フロー工法」以前のリフローはんだ付けは、主に厚
膜ハイブリッドICを中心とした基板(サブストレート)を熱伝導下加熱方式によるリフローはんだ付けです。
・製品:H-IC、モジュール等
・加熱方式:ホットプレート、ヒーター+ガラスクロステフロンベルトによる下
加熱方式(伝導加熱)
※下加熱方式の模式図
第二世代リフロー炉(1980年~1990年)
チップ部品の接着剤仮固定フロー方式が登場してから数年後に小型電子機器を中心にリフローはんだ付け工法が採用され始めました。当時は熱風加熱方式の概念がなくチップ部品の接着材硬化炉をリフロー炉に転用していました。当然IRパネルヒーター加熱ですから基板内のΔtが30℃以上ありましたが、Sn-Pbはんだなので何とかリフローはんだ付けができました。
・製品:小型Audio(Compact & Micro Cassette, Radio)
・加熱方式:IRパネルヒーターによる輻射加熱(上加熱) ・はんだ:Sn-Pb
※IRパネルヒーター加熱のリフロー炉模式図
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