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コラム記事(No.7) 「リフロー工程の管理ポイント」について

2022.09.08

「リフロー工程の管理ポイント」について

一般的なリフローはんだ付け工程は、プリント基板供給~基板クリーニング~ペーストはんだ印刷~印刷後の画像検査~部品実装(小型チップ、半導体、大型異形)~リフローはんだ付け~画像検査で構成されています。この各工程の中で「ペーストはんだ印刷工程」がリフローはんだ付け品質を左右します。はんだ付け品質を確保するための各プロセスの要点を説明します。

 

■リフロー工程の管理ポイント

・部品の保存(基板や部品の酸化や吸湿防止)

・ペーストの管理(保存温度、使用済みペースト)

・印刷工程(基板のクリーニング、マスク開口部の設計、マスク印刷条件)

・リフロー条件の管理(基板毎の条件設定、トレーサビリティ)

・リフロー済み基板の保管(フロー工程までの吸湿防止)

 

 

①基板、部品の保管

1900年以前のLSIのパッケージは、封止樹脂の特性や非アルミパッケージのため吸湿しやすくリフロー工程においてパッケージクラックや底部の膨れによるリード浮きなどの問題が発生しました。現在のLSIは封止樹脂の改良が進みアルミパッケージされているのでこの様な問題は発生しませんが、使用残LSIはドライキャビネットネット保存が必須です。また、生基板も吸湿すると層間剝離現象が発生しますのでドライキャビネット保存が望ましいです。他の電子部品についても長期保存の場合にはドライキャビネット保管もしくは常時空調室保管をお勧めします。

 

②印刷工程

ペーストはんだは実装基板の仕様に対応した性能のペーストを使用します。

狭ピッチ用、微小部品用、一般部品用などペーストのグレードがあります。

メタルマスクは高精度レーザー加工マスクが一般的に使用され、ペーストや印刷機に応じた印刷条件の適正化が必要です。また、使用済みペーストは新ペーストと混合しない、48時間以内に使い切るなどもポイントです。

 

③印刷後の画像検査

微小部品や狭ピッチLSIBGA,QFP)搭載基板ではペーストはんだ印刷後の画像検査が必須になります。はんだ印刷にバラツキがあると濡れ不良やフィレット不良につながります。

 

④部品実装

両面リフロー基板においてR2面実装の際にはR1面実装部品を逃がすための掘り込みを入れたサクションプレートを使用します。この際、マウント時の基板たわみの影響によりR1部品はんだ接合部への影響を確認する必要があります。フレキ基板の使用においては直接搬送できないため、粘着シートや位置決めピンを搭載した搬送用治具に載せて、ペースト印刷~部品搭載~リフロー工程を流動する場合があります。

 

⑤リフロー条件の設定

Pbフリーはんだの導入に伴い、Sn-Pb共晶はんだのリフロー条件に比べて、P/H温度を高めに時間を長

く、また、リフロー温度や時間も長めに設定することがポイントです。基板内で搭載部品の熱容量やパタ

ーンの配置により昇温レベルが異なるので熱電対は、熱容量大(昇温が低い)小(昇温高い)、弱耐熱部

品(はんだ耐熱性低い)などのはんだ接合部や部品本体に熱電対を貼付して、基板インからアウトまでの

連続した温度プロファイルを測定します。部品の耐熱性が問題なく、当該基板のリフロー条件に合致して

することを確認して量産条件として管理します。なお、両面リフロー基板において、R2面リフロー時には

R1面の接合部は再溶融しますが、はんだの濡れ力が部品の重量より大きいので大きな振動が加わらない限

り落下することはありません。

⑥次工程までのリフロー基板の保管

片面&両面リフロー後にリード部品を挿入しフローはんだ付けするのが一般的ですが、マガジンラックや通函に収納して次工程へ移るまでの保管環境によってはリフロー基板が吸湿してフローはんだ付けの際にリード部品接合部にブローホールが発生しますので要注意です。特に東南アジアの実装工場や国内工場の梅雨時には防湿対策がポイントになり、常時空調室に保管し、先入れ先出しをお勧めします。 

 

リフロー工程用治具

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